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ローマ人の物語(読書中)

 


たまには読んでいる書籍の紹介したいと思います。昔から歴史ものの本が好きだったのですが、10代から20代にかけて中国のものが多く、史記とか三国志演義といったものや日本の平家物語など読んできましたが、西欧の歴史もの、ローマ帝国なんかはこれまで全然読んだことがなかったのですが、ここ1年くらいかけて塩野七海著「ローマ人の物語」をゆっくりと読んでいます。少しはまりつつあります。

ようやく17巻まで読了。現在18巻をゆっくり読書中であります。18巻では第2代ローマ帝国皇帝のティベリウスの崩御。カリグラの第3代ローマ帝国皇帝への即位から暗殺死まで書かれています。第8巻からローマ帝国の構想したカエサル、ローマ帝国を構築したアウグストゥス、そしてローマ帝国を盤石にしたティベリウスが3人の描かれています。カエサルは前線に立ち、ローマの兵を鼓舞してきたので軍記物っぽく、たくさんの逸話もあるし、面白い。何よりガリア戦記を彼は書いています。アウグストゥスは軍事の面での才能はなかったものの、代わりにアグリッパが軍事の面でアウグストゥスを補佐し、アントニウスを倒した後はローマ帝国の初代の皇帝となりました。政治的面では思慮遠望ですごい才能があるのでしょうが、書き手としてストーリー作っていくのが大変かと思いました。

ティベリウスは軍事の面での才能は高く、かつ賢者です。アウグストゥスも思慮の人だったと思いますが、自分の血縁者を後継者とすることに固執し、しかし最後はティベリウスを後継者としなければいけなかったことは最大の皮肉です。しかも後継者がティベリウスだったこと。思慮の人であったティベリウスがアウグストゥスから皇位を受け継ぎ、かつてゲルマニア遠征の総司令官であったティベリウス自身がエルベ川から撤退を事実上決めるなど、ティベリウスは新しいことをほとんど行わず、かつ晩年はカプリ島での隠遁生活を続けることでローマ市民の間ではますます不人気になりました。(それでも国を治めることができたことは驚愕に値します。)このような状況の下で崩御しました。著者の塩野さんは次のように記しています「遺言も、市民や兵士への遺贈金の分配以外のことはすべて無視された。」市民にも元老院にもティベリウスがいかに不人気だったのかがわかります。これに対して第3代の皇帝となったカリグラは、ティベリウスが行ってきた真逆のことをやり始め、市民からも熱烈に歓迎されました。(よくみると完全にそうとは言えない部分もありますが)しかし塩野さんはティベリウスが如何に体臭に不評の政策を行ったとはいえ、ローマ帝国を盤石のものにしたのはティベリウスの功績によるものだと高い評価を与えています。カエサル、アウグストゥス、ティベリウスこの3人がいなければローマ帝国はあれほど長く繁栄しなかったのでしょう。だれが一番とは言えないのですが、人間味あふれる点で私はカエサルは最も好き。カエサルの言葉「自らが見たいと欲する現実しか見ない」には奥の深さを感じます。

ティベリウスの後継者のカリグラはティベリウスと真逆の政策を行い、4年後には暗殺されるというのも過去になった今だから言えるかもしれないけど、それもまた皮肉だと思います。カリグラは「自らが見たいと欲する現実しか見ない」。。

 


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シラネアオイ

おはようございます!
nice!&ご来訪有難うございます!!
by シラネアオイ (2014-06-12 08:44) 

Nicky

シラネアオイさん

こちらこそ、ありがとうございます。
よろしくお願いします。
by Nicky (2014-06-15 17:07) 

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