ローマ人の物語
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28巻まで読了しました。かれこれ2年近くかけてゆっくり目で読んでいます。
この巻はローマの上下水道や医療教育制度について主に書かれています。27巻と28巻はそれまでの巻とは違い、 ○○皇帝の時代の出来事ではなく、街道や上下水道などインフラの話です。メンテナンスが重要ということが書かれていて、前の仕事でも同じような思いがあったから、2千年前のローマ人の凄さには脱帽しました。当時のローマ人はまるで現代でも通用しそうな人々です。もちろんローマ帝国が他民族との戦いに勝利しても敗者を奴隷にすることなく、他民族にも市民権を与えたりと「敗者の信仰する神々にもローマ市民権を与えた」という一節は考えることがありました。敗者のローマ化を図るときに、当時のローマ人の宗教観なども関連していると著者は記しています。
ローマ帝国はその後キリスト教の国教として帝国内で他の宗教を信仰することを禁止するまで、ローマ人は多神教であり、他の宗教に対しても寛容であったこと。ただガリア人のように宗教指導者が政治に関与しないようにしたことはあったものの、戦いの前の生活様式ででき、多様性を受容しつつ、敗者の子供たちをローマに留学させ、ローマ化を図り、そして成功した。ローマ化が図れなかった唯一の例外が一神教のユダヤ人であったことが書かれています。何度かユダヤ人による反乱がそれまで起こったり、ビジネスで敵対関係になりがちなギリシヤ人との対立など書かれています。(20巻当たりですが。。)
29巻目からは五賢帝の最後のアントニヌス帝が登場し、ローマ帝国が徐々に弱体化していく物語の始まりです。
最後に、教育に関して著者が記している興味深い個所を紹介します。
ある一つの考え方で社会は統一されるべきと考える人々が権力を手中にするや考え実行するのは、教育や福祉を自分たちの考えに沿って組織し直すことである。ローマ帝国の国家宗教になって後のキリスト教がしたことも、これであった。そしてその半世紀後、ローマ帝国は滅亡した。 (160頁)
2015-02-01 20:55
nice!(27)
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